屋上で
そして最後に、と言いながら三本目の薬指を立てて彼が言った。
「俺が偽の彼氏になってあげるよ」
「はい!?そっちの方が意味分からないよ!?」
偽の彼氏なんて何の得にもならないし、持田にとったら迷惑でしかない。
「もちろん、タダでじゃない。
……1つ俺の頼みを聞いてくれたらやる」
「それは良いんだけど…」
「けど?」
「冷時にはどうやって説明するの?」
「あいつには説明しない」
えぇ!?
もう、彼の言っている事はめちゃくちゃにしか思えない。