屋上で


「早かったね!はい、ジュース。お疲れ」




「あぁ、サンキュー」




……やっぱり元気ない。




「惜しかったね、試合」




「でも、負けは負けだろ?」




「そうだね。だけどあんな興奮する試合は皆の心の中に残るよ。
…皆の心に残る試合なんて凄いよ?」




「…そんなの別に…」




「その興奮を起こしたのは間違いなく“鈴木がコートに入ってから”だよ?
私は大切な友達がヒーローでとっても嬉しい」



「けっ……」




あ、ちょっと照れてる。耳赤い。




「鈴木!」




会場前の、広い広場で話していると誰かがこちらに向かって走って来た。




「二ノ宮キャプテン…」




どうやらバスケ部の部長さんらしい。
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