屋上で
「鈴木くーん!」
この声は…
「?お前、誰?」
「私、岡野美利って言います。
――…あれ?もしかして波里さん、鈴木君と知り合いなの?」
あぁ、またこの視線…
気分悪くなってきた。
「うん。大事な友達」
だけど、そんなの悟られたくない。
私はきちんと笑って何でもないというような感じで返答した。
「…へぇー…
じゃあさ、私を鈴木君に紹介してよ」
嫌だ。
岡野さんなんかを鈴木に紹介したくない。
でも……
「おい、“千春”。
――…コイツお前の知り合い?」
「うん。中学の同級生」
できるだけ平静を装って話す。
「そうなの。
それより私、鈴木君のプレーみて感動しちゃった!
これから一緒にお昼食べに行かない?」
嫌だ。行きたくない。
「悪ぃけど、俺コイツとこれからデートなんだ。
…邪魔しないでくれるか?」
そう言って鈴木は私を背中から抱き締め、私の頭の上に顎を乗せてきた。
は、恥ずかしい…
っていうか鈴木そんなことしたら誤解されちゃうよ…!?
今イチ鈴木の意図が分からない。