屋上で
「ただいま。母さん、俺の彼女、連れてきた」
「いらっしゃーい!
何この娘、頬がぷくぷくして可愛いわね!」
あ、何だかこの人、うちのお母さんのノリに似ている。
顔は比べるのもおこがましいほどの美女だった。この点は全然似てない。
「お邪魔します」
「いやーん!お人形さんみたい!私もこんな娘ほしい!」
…ほめすぎだよ、冷時のお母さん。
でも、冷時のお母さんのテンションに圧倒されて私は何も言えなかった。
私はリビングに案内された。
何もかもがこの家は広かった。
黒井さんに冷時、私に、冷時のお母さん、それと男の人が2人(お兄さんと推測)と女の人が1人(お姉さんと推測)がリビングに集まっていた。
こんなに大人数が入ってもまだまだ部屋にスペースが残ってる。
全然窮屈じゃない。
ウチの家なら狭くて仕方なかっただろう。