屋上で


「千春のお母さんって面白い人だな」




シーンとして本当に走っているのか分からない静かな乗り心地で落ち着かない私に冷時がポツリと話しかける。



え!?どこが!?




「有り得ない…」




「こんな仏頂面で無口な俺とあれだけ会話できるのは凄いよ」




「いや、お母さんがイケメンに弱いのと、
無口で無表情なのは私の父親もそんなんだからだよ」




どうしよう…
冷時とお父さんが会話するところとか想像つかない。




「到着しました」





家、でか……
これを世間では大豪邸と言うのではないだろうか?




冷時ってお金持ちだったのか…
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