屋上で



こんな事はしばしばあった。


それでも確実に姉貴の命が削られているのだと感じて恐かった。慣れる事なんてない。治療が終わっても、姉貴が目覚めるまで一歩も動かずただひたすら傍にいた。


だけど病院に運ばれ、辛い治療を受けたはずの彼女は、目が覚めると何もないように開口一番こう言った。




「よし!ハンバーグ作るね!」




「飯は俺が作るから、姉貴は病院で寝ててくれ」



「でも…」

「大丈夫だ。最近調理実習やったからな。じゃあな!」








――と言って病院をでてきたもののどうすっかなー


俺は病院からの帰り道。
家に帰ろうとするわけでもなく1人ブラブラとしながらボーっと河原を眺めていた。




「あ、あの、鈴木君!」




ん?誰だ?
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