屋上で


「あ、お前は…」




「一年一組、野田ひとみです!」




俺が思い出すうちに彼女は自己紹介をし、遠くに立っていあたはずなのにいつの間にか隣にやって来ていた。



「知ってるよ。
お前バスケ部のマネージャーだろ?」




俺は河原から彼女の方へ向き直る。


…あれ?何で知ってんだ?



すると野田は俺に明るい笑みを向けてきた。




「ありがとう。名前覚えてくれてて…」




他クラスだけど覚えてるやつもいたんだな、俺。




「三回目の自己紹介で」




グサッ





「気にしないで。
仕方ないよ。鈴木君はシスコンだもんね」




「だからその変な誤解やめろって!」




「え!?でも皆言ってたよ?」




「だから、ちげー!」




そう、俺はよく姉貴と一緒に居るせいかシスコン説が不名誉ながら学校で浮上してしまっている。


最悪だ。
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