屋上で


「…嫌か?」




歩みが遅いひとみに俺はいささか不安がよぎる。




「あ、嫌とかじゃなくてその…服装とか…髪型とか…」




「あぁ、俺の両親とっくの昔からいねぇから大丈夫。
…姉貴も今日は帰ってこねぇし。大丈夫、手は出さねーから」




「そっか。じゃあお邪魔させていただきます」




――…へぇ、コイツ…




「あぁ、そうだ俺。ひとみに1つ頼みたいことあるんだ」





「何?」
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