屋上で


「あ、そう言えばさ、美男美女パーティーに出る亜美たちって今日の昼、ダンスの練習体育館でなかったっけ?」




「あぁ、それな。俺ダリィからパスした」




「私も人前で踊るなんて考えられないからパス」




「え!?パスとかありなの!?」




「私を誰だと思ってるの?先生に直談判したわ」




さすが亜美。すっご…





「……じゃあ、私達のクラスから参加するのって桜子さんと冷時だけ?」




「そうなるな。
でも、冷時も断ってたんだけどな」




「?」




「でも、参加したくない理由をバカ正直に話すから先生にはね返されてやがんだ」




「何て言ったの?」




私がそう聞くと鈴木がニヤニヤしながら答えた。




「相手が俺の好きな奴じゃないから躍りたくないってさ」








――――…どれだけ冷時は私を好きにさせれば気が済むんだろう?
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