《完》パーフェクトウエディング*社長の花嫁は16歳*
扱けた私に向けられる人々の視線が恥かしい。


「いたたっ…」



右ひざは擦り剥き、血が滲んでいた。


私は膝の痛みを堪え、立ち上がる。


仕事だからってーーー・・・




色んな思いが胸を掻き毟った。
しだいに、胸いっぱいに溢れた思いが瞳をジワジワ責めて、涙になる。


でも、泣いても仕方ないと思い、涙を必死に堪えた。


気丈に自分を支え、脱げたミュールを拾い、裸足の右足に履く。



「藤ヶ谷?」


「!?」


私の目の前には烈君が立っていた。





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