《完》パーフェクトウエディング*社長の花嫁は16歳*
言葉を脳裏で探してる私を置いて、設楽さんは部屋を出て行った。



「・・・」



捺さんは酒の酔いと仕事の疲れに身を任せて、グッスリと眠り続ける。



私は部屋の奥にある洗面所で設楽さんに奪われた唇を念入りに水で洗う。
洗っても、捺さん以外の男性にキスされた事実は消せない。


それでも、洗い続けた。



捺さん以外の男性に触れられるなんて死んだ方がマシ。


それだけ、私にとって、捺さんは大きな存在となっていた。



私は捺さんだけのモノ。


だから、捺さんも自分だけのモノで居て欲しい。


束縛、独占、嫉妬…捺さんの強い思いから生まれる醜い感情が心の中に湧きあがる。



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