年下のカノジョ~あの子は高校生~
「・・・・・・もしもし。
 今、時間大丈夫?
 あのさ、急で悪いんだけど、バイトしない?
 ・・・・・・うん、そう。
 私が働いているレストランがね、人手が足りなくて困っているの。
 由美奈ってホールのバイトしたことあったじゃない。
 よければ手伝ってもらえないかと思って」

 田口さんの電話に、一層熱い視線を注ぐ。


「え!?
 ・・・・・・あ、そうなの?」

 見守る俺達全員の呼吸が止まる。



―――どっちだ?OKか!?NOか!?

 なんか俺まで緊張してきた。




「そっかぁ、バイト探しているところだったんだ。
 よかったぁ」
 田口さんが胸をなで下ろした。


 皆の口からに安堵のため息が漏れる。

 一番安心した表情なのは、例によって山岸さんだった。




「じゃぁさ・・・・・・」
 田口さんがちらりと山岸さんを見る。

 すると彼女はメモにさらさらと数行書き付け、それを田口さんに見せた。

「んっと、明日って夕方は時間空いてる?
 それなら店に来てほしいんだ。
 簡単な面接するって。
 時間は4時半なんだけど。
 ・・・・・・ん、分かった。
 よろしくね」

 プチッと終話ボタンを押して、話を終えた。




「バイト、出来るそうですよ」
 田口さんが顔を上げてにっこりとする。


「よかったわ。
 これでどうにか店は回せそうね」

 やれやれ、と一同胸をなでおろす。


「田口さん、その子の名前は?」
 山岸さんがペンを握りなおし、メモを取る準備をする。
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