年下のカノジョ~あの子は高校生~
―――すっかり落ち着いたみたいだな。




 そろそろ帰ろうか、と言いかけた時、由美奈ちゃんが口を開いた。


「三山さんは私が困っていると、いつも助けてくれますね」

「ん?そうかい?」

「そうですよ。
 酔った男の人たちに絡まれた時も。
 お客様のスカートにワインのシミが付いてしまった時も。
 いつも、いつも、三山さんが来てくれます」

 照れたように頬を赤く染めて、由美奈ちゃんが言う。

「三山さんは私にとって、特別な人です」

 涙で濡れた瞳をやわらかく細めて、微笑みかけてくる由美奈ちゃん。



 その笑顔があまりにもまぶしくて、クラクラする。



―――やばい、理性が飛びそう・・・・・・。



 ダメだ、ダメだと必死に自分にいい聞かせても、腕が自然と彼女へと伸びる。

「柏木さん・・・・・・」



 俺は彼女の背に腕を回し、胸に抱き寄せた。

 小さい由美奈ちゃんが、俺の胸の中にすっぽりと納まる。



「三山さん?」

 驚くというよりは不思議そうに、由美奈ちゃんが俺を呼ぶ。


―――もしかして、今が告白するチャンスなのかも・・・・・・。




「あ、あの。
 俺・・・・・・」 


 俺はゴクン、と息を飲んだ。





「柏木さんの事が・・・・・・」
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