年下のカノジョ~あの子は高校生~
 由美奈ちゃんとは20センチ近く身長差があるので、下から見上げられる。

 キラキラと潤んだ瞳で。



 俺の心臓は激しく運動した後のようにバクバクと耳にうるさく。

 額や手の平、背中には訳の分からない汗が次々と噴き出す。



―――なんでこんなことに?!
 

 ごくり、と息を飲む俺。

―――それにしても、いつ由美奈ちゃんは寝室に入ってきたんだ?

 そもそも、俺と由美奈ちゃんはまだそんなに親しい関係じゃないはずだ。


―――どうして、彼女が俺の家にいるんだ?
   いつ、どうやって入ってきた?

 グルグルと疑問が渦巻く。


「ゆ、由美奈ちゃん。
 あの・・・・・・、どうして君がここにいるんだい?」
 
 今更ながら間の抜けた質問である。

 由美奈ちゃんがくすくすと笑う。

「ふふふ。
 今はそんなこと、どうでもいいじゃないですか・・・・・・」
 ほんのり染まった頬が色っぽい。
 
―――どうでもよくないよぉっ。
   第一、その格好はまずいって!!
 
 そんなあられもない姿を見せられたら、完全にやばい。
 
 俺だって健康的な成人男性だ。

 我慢の限界というものがあるのですよ?!
 由美奈ちゃん、その辺お分かりでいらっしゃいます?
 

 たらり、とこめかみに冷や汗が流れる。

「三山さん」
 少しだけ首を右に傾け、由美奈ちゃんが熱っぽい声でささやく。

「あ・・・・・・、えと・・・・・・」
 俺は何をどうしたらいいのか分からず、おろおろするばかり。

 なのに視線はしっかり彼女の胸の谷間に。
 ・・・・・・男ってバカ?

「三山さん?」
 再び俺を呼ぶ。

「はっ、はひぃぃっ!!」
 声が裏返った。
 “情けなさ度”は軽く最大値突破である。
 
 すると彼女は静かに腕を解き、腕を伸ばす。
 
 そして俺の首の後ろに回してきた。


――――そんなことしたら、胸が全部見えちゃうよぉぉっ。
 
 と、心の中で叫びつつ目線はまったく反らすことなく二つのふくらみを凝視。


 ハイ、完全に俺は馬鹿です。
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