年下のカノジョ~あの子は高校生~
―――ぐはぁ。
   私服の由美奈ちゃん、いいなぁ。
 
 俺はどっかり魅入っていた。


 嬉しくって舞い上がる俺は、この『不自然な彼女』が発するサインに気がつかなかった。








「おはようございます。
 ・・・・・・三山さん?」
 由美奈ちゃんが不思議そうに首をかしげている。
 

 声を掛けられて、俺は慌てて我に返る。


「お、お、おはよう。
 迷わずに来られたんだね」
 動揺して声が少し上ずる。


―――俺ってば余裕なさ過ぎだぞ。



「あの・・・・・・。
 私、来るのが早かったですか?
 電話してからのほうがよかったでしょうか?」
 

「ううん、そんなことないよ。
 丁度準備が終わった所だったから。
 さ、あがって」
 俺は由美奈ちゃんを招き入れる。




「はい。
 では、おじゃまします」
 ぺこりと頭を下げて、彼女は玄関の内側へと足を踏み入れた。
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