年下のカノジョ~あの子は高校生~
「あれ?
 今日は店休ですよね?」
 
 運転席の彼を見た。


「うん。
 ちょっと訳があって、入れるようにしてもらった」
 
 私と目を合わさないように、先に車を降りてしまう彼。



 そんな些細な仕草に、私の中で不安はどんどん育ってゆく。


―――訳って何?


 どういうことなのか分からないけれど、とりあえずは正和さんについて行くしかない。



 前を歩く彼の背中を追って、私も通用口から中に入る。





 正和さんは迷わず厨房のスイングドアを押し開けた。


 当たり前だけど、誰もいなくって、ガランとしている。



「えと、お邪魔します・・・・・・」

 ここでのバイトを辞めていた私は、久しぶりに足を踏み入れた。


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