年下のカノジョ~あの子は高校生~
 何も変わっていない厨房。

 懐かしいと思うよりも、心のざわつきが気になってそれどころじゃない。




「あ、あのっ。
 正和さん」

 数歩先の彼に呼びかけた。


「私に話があるんですよね?」



 ゆっくりと振り返る正和さん。


 でも。

 少し俯き加減で、表情がよく見えない。



「そうだけど」

 表情以上に硬い、彼の声。



「何で厨房なんですか?」



―――話をするだけなら、わざわざ店に来ることもないと思うけど?


 不思議そうに首をかしげている私。



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