年下のカノジョ~あの子は高校生~

11】戸惑いと共に恋が始まった

「はぁい、みんなぁ。バレンタインのチョコよ~」


 本日は2月14日。
 

 今日も問題なく仕事を終え、着替えた後に同僚や後輩達としゃべっていたところに、叔母さんが大きな紙袋を下げて更衣室に入ってきた。

「て、店長!
 ここ、男性更衣室ですよっ!?」
 突然の乱入に、赤川が驚く。


「だって、着替えが済んでるんだからいいじゃなぁい」

 おそらく着替え中であっても、この叔母にしてみればたいしたことではないだろう。

 むしろ、男性側のほうがうろたえるに違いない。


 わが道爆走状態の店長に、男達は苦笑するしかなかった。 




「そんなことよりも・・・・・・。
 水田さん、どうぞ。
 赤川君も」

 紙袋の中から手の平にちょうど収まるくらいの包みを取り出して、1人ずつに渡してゆく。


 毎年恒例の義理チョコ配布。
 
 だけど義理とはいえ、叔母の用意するチョコは必ず美味しい。

 デパ地下巡りが趣味ということだけあって、舌が肥えているのだ。



「今年はどこのチョコですか?」

 やはりパティシエとしては気になるのだろう。

 水田が尋ねる。



「日本橋の○×デパートに新しく入ったお店のものよ」

「◆◆でしたっけ?
 確かフランスに本店があるとかいう」

「さすが水田さん。
 チェックが早いわね」


 そしていよいよ俺の番。
 


 お返しはいつもメッチャクチャ高額なものを要求されるが(もちろん冗談で)、今回は何と言われるのやら。

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