☆一番星☆
少し遅れて、紗羽と蓮くんが来た。




「初めまして。絢華の親友の新城紗羽っていいます。あと、こっちは彼の水島蓮です」


「あ、初めまして。佐伯舜です」


「バスケ上手なんだね。蓮もバスケをやってたんだよ」


「え?」




一昨日から一緒にいたけれど、そんなこと一言も言わなかったのに。




「絢華、あたしが優華をみててあげるから、あんたも一緒にやんなよ?」


「えっ、……何で?」


「いつも見てて、ほんとは一緒にやりたかったんじゃないの?絢華もずっとバスケをやりたかったんでしょ?」


「紗羽」




正直、動揺した。


そして、あたしの想いをわかってくれた人がいたことに、心があったかくなって、涙が出てきた。


紗羽って、ほんとに鋭いんだ。


あたしの心の中を読めちゃうんじゃないかって思ってしまう。




優太がいなくなってからは、ずっと封印してきたバスケ。


でも蒼太がやりたいって言い始めて……


実際にやり始めて……


あたしも、ずっとやりたくて仕方なかった。


でもいつも優華がいるから、目を離せなくてできなかったんだ。
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