☆一番星☆
「舜、……優太に言って」


「絢華さん?」




舜はどこか信じられないって顔をしていて……


“自分で言いだしたことじゃないの?”


って突っ込みたくなったけれど、きっと、あたしがそんなことを言うとは思ってなかったんだよね。


なんか、呆気にとられたような顔をしている舜も凄く愛しくなって、気が付いたらあたしから舜にキスをしていた。




「あや、かさん?」


「あたし、舜のことが凄く好きだよ。さっき舜は“俺ばっかどきどきしてる”って言ってたけれど、あたしだっていつも舜にどきどきしてる」


「やべぇ」




舜は手の甲を口元に当てて顔を背けた。


横から見てもわかるくらいに、顔を真っ赤に染めながら……


どうしよう……


目の前の舜が、どうしようもなく、愛しい。




「舜、……キスしよ?」




あたしの言葉に、舜は一瞬目を見開いたけれど、やさしい笑みを浮かべながら……




「俺もしたい」




そう言って、あたしを抱き寄せて、唇を押し当ててきた。
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