☆一番星☆
啄むようなキスが、すぐに貪るような激しいキスに変わる。




「…んッ……ふ…ん…」






どれだけそうしていたんだろう。


唇が離れて……


舜があたしの顔を覗き込んだ。




「絢華さん、可愛い」




その言葉に、一気に顔が熱くなる。


それを隠すように、舜に抱きついた。




「絢華さん」


「絢華、でいい」


「……絢華……」


「うん」


「絢華、好きだ」


「あたしも、……好き」




今までは、男の人に“絢華”って呼ばれると、優太を思い出して涙が出ちゃうから、そう呼ばせなかった。


でも……


舜なら大丈夫だって、そう思えた。


ほら、ほんとに大丈夫だ。


もう涙は出ない。




あたしにとって、舜はそれだけ大切な存在になっているんだ。
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