☆一番星☆
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裏方の仕事は、半日やればすることがなくなって、いつもよりかなり早めに仕事を終えた。


昼を過ぎても、まだ腫れている瞼に苦笑い。


家で冷やしたら、少しはマシになるかな。


外へ出ると、舜が壁に寄り掛かって待っていた。


絵になるなぁ……


背は高いし、綺麗な顔をしているし……


でもあたしは舜が笑った時に、凄くやさしくなるその表情が好き。




「舜!」




あたしの声に振り返った舜は、あたしの顔を見て目を見開いた。


そんなにひどい顔しているのかな。


軽くショックだよ。




「絢華っ!何で!?」




すぐにあたしの前に来て、舜の長い指が瞼に触れた。




「今日ホールにいなかったから、おかしいなと思って待ってたんだ」


「ごめんね。心配かけちゃったね」


「どうしたんだよ」




舜が顔を歪めた。
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