☆一番星☆
「舜って彼女いたんだ?」


「まあな」


「しかし綺麗な人だな。どこで見つけたんだよ?」


「教えねぇ」


「ふふ、舜くんって、いつも女には素っ気ないから、彼女なんていないって思ってたけど、彼女がいるから、素っ気なかったんだね」




そうなんだ。


普段は素っ気ないんだ。


なんか、そういう舜って、想像できないな。




ようやく順番が回ってきたから、舜のお友達と別れて、観覧車に乗り込んだ。


隣り合って座って、舜が肩に腕を回してきた。


自然と舜の肩に頭を預ける。


幸せだな。


でも……




「なんか不思議な感じ」


「ん?何で?」


「だって、蒼太が生まれてからはずっと、子供なしで出かけたことがないから」


「優太さんとも?」


「うん。ほら、優太もあたしも身内がいないから。二人で食事に行きたくても、預けるところがなかったんだ」


「……」


「まあでも、二人で行こうって、あんまり考えなかったかな。いつも蒼太と三人だった」


「……」
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