☆一番星☆
笑っていた哲さんが、ふっと真剣な顔になって……



「須藤ちゃんは元気だったの?」


「まあまあです」


「そっか。……優太は心配だろうな」


「えっ?」


「須藤ちゃんは、優太がいなくなっても綺麗になっていくんだな」



どういう意味?


その言葉の意味がわからず、首をかしげる。



「優太はいつも言ってたよ。“絢華を外に出したくねぇ”って。“あいつは一日一日綺麗になっていくんだよ”って」



哲さんが懐かしむように話すから、やっぱり涙が出てきちゃって……



「何で、優太だったんだろうな」



あたしも、何度も何度もそう思った。


でも答えなんか出ない。


出たところで、優太が戻ってくるわけでもない。



「哲、泣かすなよ」


「そうだぞ、優太に怒られるぞ」



ここにいる人達はみんな、優太のことが大好きなんだ。
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