☆一番星☆
そのうち花火が始まって、一発目の花火が上がった瞬間――


その音の大きさに優華の体がビクッと跳ね上がった。




「びっくりした?」


「うん、いっぱいびっくりした!でもきれい」


「ほんとに綺麗だね」





優太ともよく花火を見に行った。


いつも手を繋ぎながら、優太の肩に頭を預けるようにして座っていた。


花火を見ながら、何回キスをかわしたかな……




『綺麗だね』


って言うと、優太は必ず


『絢華の方が綺麗だよ』


って言った。




凄く照れくさくて、いつも“もーっ”と言いながら、優太の肩をバシバシ叩いていたけれど……


ほんとは凄く凄く嬉しかったんだ。


素直に“ありがとう”って言えていれば良かったな。
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