今夜、俺のトナリで眠りなよ
 違う。何か案があるって一樹君は言ってた。

 だから一樹君が、何かしたのよ。でも何をしたの?

「一樹君、どうやって優樹さんに書いてもらったの?」

「頼んだだけ」

「それだけじゃないでしょ?」

「まあ、いいじゃん。これで離婚できんだし」

「良くないよ。一樹君が何をしたのかを知りたいの」

「何もしてないし」

「したんでしょ? 教えて。私、きちんと知ってたいの」

 一樹君は、返事もせずに居間に入っていく。

 私は一樹君の背中を追いかけて居間に入ると、一樹君はソファに座って足を組んでいた。

「一樹君、ちゃんと話して。お願い」

「『お願い』は違うときに聞きたい。ベッドの中とかで」

 一樹君がにこっと笑う。
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