【短編】こんなものいらない
 
 
頬杖を付いて既に決まった注文を眺めていると、声がした。

 
「ご注文の方お決まりですか?」

「あ、はい。えーと…」
 
「…え?」

「は?」
 
 
ふいに店員の方から驚くような声がして、目線を上にやる。
 
 
「あ、慶太…」


そこに立っていたのは、紛れも無い慶太だった。

お客があたしだという事に気づいて驚いたんだろう。

けれどあたしだって急に慶太が現れて驚いている。

 
「な、なんでお前ここに…」

「あ、うん、ちょっと…」

 
由美と仁に教えてもらって。

そう言おうと思ったけど、それは2人に悪いんじゃないかと思って言うのを躊躇った。

 
でもそんなあたしの心配をよそに、あっさりと慶太は気づく。

 
「…由美と仁?」

「…う」
 
 
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