今までの自分にサヨナラを


……いつになく心が揺れる。


あの笑顔も言葉も頭にこびり付いて離れない。


彼のことがますます分からなくなる。


スタンプラリーは始まり、うちのグループは当たり前のように菅野先輩がリードしてくれていた。


だから、私はただ一番後ろをついていく。


なのに、なるべく人から離れたくて後ろにいるというのに……、なかなか一人にはなれないようだ。


目の端にはすらりと長い足が一歩一歩踏み出されている。


何を考えているのか分からなくて、本当に予測不能。


よく笑って、みんなに人気もあって、だけど私に構ってみたり……。


とことん苦手な人だ。



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