オレ、トーフ。【短】
ブラッシング中のトーヤの手を噛んでやろうかと思ったけど、またユズハに叱られたら悲しいからやめておいた。


「トーフ、珍しく大人しいな」


仕方なく大人しくしているだけなのに、トーヤはオレを褒めてばかりだ。


「偉い、偉い」


フッ……


バカだな、トーヤ!


ユズハが風呂から上がって来たら、ユズハに飛び付いてやるからな!


そしたら、ユズハは絶対にオレをギュッてしてくれるんだ〜!


オレはひたすら大人しく過ごしてトーヤを騙(ダマ)し、ユズハが風呂から上がって来るのを今か今かと待っていた――…。


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