オレ、トーフ。【短】
ユズハの家には、オレは入っちゃいけなかった。


ユズハは、いつもその事を謝っていたけど…


オレはブランケットのお陰で寒くなくなったし、毎日ユズハに会えるのが嬉しかったから段ボール箱の中の生活が好きになったんだ。


朝になったらユズハを見送って、夜になったらユズハを出迎える。


オレはユズハに言われた通りにちゃんと留守番して、ユズハが帰って来るのをいつも待っていた。


出会ってしばらくしてからユズハが付けてくれた名前も、もちろん気に入った。


だけど…


ユズハはいつだって、どこか寂しそうにしていた。


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