オレ、トーフ。【短】
ユズハと出会ったのは、冷たい風が吹く寒い日だった――。


生まれてすぐに捨てられてしまったらしいオレは、段ボール箱の中で生活していた。


気まぐれにミルクをくれる奴もいたけど、誰もオレを連れて帰ってくれようとはしなかった。


薄っぺらいタオルしか無い段ボール箱の中はすごく寒くて、毎日凍えそうだった。


そんな時、ユズハがオレを見付けてくれたんだ。


ユズハは、その日のうちに大きなブランケットをプレゼントしてくれて…


段ボール箱を抱えて、ユズハの家の前まで連れて行ってくれたんだ。


だけど…


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