ヘタレ王子とヤンキー姫
事の発端は、豊の友人が放った、何気ない一言だった。

「はぁ…おまえがうらやましいよ。学校1の美人と言われてる、樺音ちゃんと付き合えるなんてさ。」

「そうか?あんなのどこにでもいる普通の女だぜ?それにあいつ美人風吹かせててウザいんだよな、正直。」

浮気性の豊は、そろそろ樺音にも飽き始めていた。

嫉妬こそないものの、樺音から放たれるなんとも言えないオーラが煩わしかった。

「いいよな〜。なぁもうヤったのか?」

「まぁな。」

周りにいた友人たちから歓声が上がる。

みんな羨ましがっていた。

実は、豊が樺音と付き合った理由はこれだった。

学校1の美人と言われる樺音と付き合えば、みんなが羨ましがる。

常に注目の的でいたかった豊は、そのためだけに樺音を利用した。

しかし、こうも毎日騒がれると、煩わしい。

しかも結局豊は、樺音のおまけ程度。

その扱いがさらに豊をイラつかせた。

「所詮あいつなんて、性欲処理の道具だ。なんならためしてみるか?」

みんな目を輝かせて豊を見る。

豊は、幼馴染みを利用することにした。
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