ヘタレ王子とヤンキー姫
呼び鈴がなって、顔を出すとそこには豊がたっていた。

「どうしたの?」

「由衣…俺もう限界だよ。」

「豊?何があったの?」

「俺、樺音に貢がされてるんだ。いろんなもの買わされて、もう30万くらい使ってる。」

「嘘でしょ?」

「断ったら、私と別れると敵作るよとか、私の頼み断るとかあり得ないって言われて…どうしたらいい?」

正直信じられなかった。

樺音がそんなことするなんて、想像できなかった。

けれど、豊が嘘をつく理由も思い浮かばない。

しばらく悩んだ末に、由衣は決断を下した。

所詮、樺音は3年間同じクラスだったと言うだけ。

3年と10年じゃ、その差は大きすぎた。

「私が…守るから。なんとかするから。」

小刻みに震える豊の体を、その腕に感じながら、由衣はいつの間にか、樺音への憎しみを募らせていた。

その後ろでは、抱き締められた豊が、笑っていたことなど知らずに…。
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