ヘタレ王子とヤンキー姫
豊はあれ以来、樺音たちの前に姿を見せなかった。

その他の人間にも、喧嘩を吹っ掛けられることもなかった。

由衣とはあれからも時々遊ぶようになった。

豊の存在は、四人の絆を、再確認させるためにあったのかもしれないと、樺音は思った。

「ってか俺今回活躍なくねぇか!?」

「言われてみれば…。」

「ちょいちょいよかったんじゃない?樺音を止めようとしたところとか、恵美を抱き止めたとことか…そんなこと言ったら僕なんかカッコ悪いとこしかないじゃないか。」

「そりゃお前はカッコ悪いキャラクターだもん。」


「ひどいよ颯太…樺音〜颯太がいじめる〜。」

「いじめてねぇし!」

「颯太あんまいじめんな…あとあとめんどくせぇから。」

「樺音さらっとひどいこと言ったよね。」

その場にいた全員が笑いだす。

それぞれが、改めて友達の大切さを実感した。

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