先輩の恋人[先輩の妹:番外編]
川瀬くんは小さく笑うとその場にあった椅子に力なく座り込んだ。
彼もこの空気に緊張していたんだと気付く。
「…川瀬くん、お茶飲む?」
この緊張が解けた雰囲気を保ちたくて、問いかけると彼はびっくりした顔を私に向けた。
その表情に思わず笑ってしまった。
「どうしたの?」
「いや、俺の名前知ってたんだなぁと思ってびっくりした」
「ははっ。知ってるわよ、川瀬南都くんでしょ?」
「うん」
名前を呼ぶと、彼は少し照れたようで目を合わせようとはしなかった。