会いたい
幽霊は追いかけてきたりはしなかった。
門も開け放して、私は走った。
そうして薄野原を通ると、また、哀しくなってきてしまった。
「――」
その場にしゃがみこんで、私は息を整える。
どうしてだろう。この頃は、哀しいことばかり起きる。
期待しすぎるから、いけないのだろうか。
私はただ、はっきりした答えがほしかったのだ。
中途半端な状態に、透が私をおいていってしまってから。
三年前の私は、こんな風になるなんて、思ってもいなかった。
透がいて、私の傍にいて、二人でいろんなことをして。
それがずっと続くものだと思っていた。
やがて私達は結婚して、子供が生まれて、二人で年を取って――そんな風に、生きられると思っていた。
そう、信じていた。
「とおる……」
私は、こんな風に終わりたくはなかった。
終わりたくはなかったのだ――