会いたい

「ねぇ。死んだからって、どうして忘れなきゃいけないの……?」

 忘れなければ生きていけないほど、私は弱い女ではないのに。
 想い出だけを大事に抱えて、それだけで生きていけるのに。
 そんなにいけないことなのだろうか。
 一人で生きていけるのなら、それでいいはずなのに。
 誰かがいないと生きていけないなんて、そんな弱い人間にはなりたくない。
 私と透は、どんなに近くにいても、一人だった。
 それを互いが知っていたから、二人でいるのが好きだった。
 二人でいても、どこまでも一人だったのを知っていたから、私は今も透なしで生きている。
 みんな同じなのに。
 どんなに深く愛したとしても、本当の意味で一緒には死ねない。
 どんなに愛しても、結局は一人なのだ。
 それは変えられない。

 だからこそ、大事なのに。
 だからこそ、愛しいのに。

 それを抱えて生きて、何が悪いのだろう。


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