夏恋~小さくて素敵な恋~
「だから、いないのっ!」
まとめて返事を返した。
すると前から三つのため息が聞こえてきた。
「ちょっ、何よ…。」
里「奈留は本当に女の子?」
「なっ!女に決まってるじゃん。」
そんな当たり前の事をどうして聞くの??
好きな人ができない…そんなのあたしがどうしてか一番聞きたい。
里「早く見つけなよ。」
「なんで?」
里「だって…ねぇ?」
あたしの肩をポンッと奈々ちゃんが叩く。
他の二人はニコニコしていた。
えっ…なに?
奈「四人で一緒にデートできないじゃん。」
「デ、デート!?」
奈々ちゃんの言葉を聞いてポカンとしているあたしと、ニコニコしている里美と晴美ちゃん。
気が早い…。
だって、まだみんな告白とかしてないし…。
そりゃあ、みんなの恋が実ってほしいけど。
奈「ちょっと聞いてる?」
「へっ?」
里「もう奈留は~…。」
晴「聞いてなかったの?」
三人があたしの目の前に詰め寄ってくる。
思わず後ずさるあたし。
そして三人の言葉は綺麗に重なる。