夏恋~小さくて素敵な恋~
急いでみんなが駆け寄る。
「大丈夫か?」
「大丈夫?」
みんな心配そうに聞く。
「あぁ。でも、足が…。」
どうやら足を捻ったらしく、立てずにいた。
もしかしたら、骨折してるかも…。
大丈夫なのかな…?
数人の男の子が倒れた男の子を保健室まで連れて行った。
その後ろ姿を不安になりながら見送る。
チームの仲間が一人減ってしまった。
これじゃあ、試合が…。
すると同じチームのバスケ部のキャプテンが応援席に向かって叫んだ。
「おーい、祐太!って、あれ?」
どうやら塚原くんを呼んでいるみたい。
するとすぐ近くで声がした。
「なんだよ。」
「おわっ!お前、いつからそこに?」
ビ、ビックリした…。
本当にいつからここに?
塚原くんは軽めの運動をしていた。
もしかして…、
奈「あ、塚原。もしかして試合出てくれるの?」
「あぁ、もちろんだ!」
塚原くんは笑顔でそう言った。
あたしはホッと息をついた。
「お、祐太わかってんじゃん!まぁ、お前はもともとこっちのチームだしな!」
えっ??
「そうなの?」
思わず声が出てしまった。
その声に塚原くんが振り向いた。
「まぁな。ちょっと理由があって向こうのチームに行ってたんだ。」