ふたりの練習曲 ~Raita side~
「俺が怪我させたんだから、気にすんなっ!
それよりマジで急がないと、演奏はじまるぞっ!」
「うぅっ、重かったらゴメンねぇ・・・」
おずおずと背中に乗る彼女の体重は思ったよりもずっと軽くて、ホントはちょっとだけ心配してた俺は、内心でほっとする。
「なんだ、全然軽いじゃん!
走るから、ちゃんと掴まってろよ!」
「うん、無理しないでね・・・」
「あんまりな無理はしないけど、間に合う程度には無理するよ!」