ふたりの練習曲 ~Raita side~
「足痛めたの?
スタンド大丈夫?」
「うん、それは大丈夫だよぉ、心配かけてごめんねぇ・・・
あっ、楽器ありがとうっ!」
彼女はアルトサックスを受け取ると、首に下げてた紐に引っ掛けて、こっちを見上げた。
「運んでくれてありがとっ!
演奏がんばろーねっ!」
にへっと笑う彼女は、足の痛みなんてまるで感じさせなくて、逆にちょっと心配になる。
「ホントに、無理はするなよ!」
「心配しすぎ、大丈夫だよ!」