伯爵と妖精~新しい息吹~
「フランシス様は信用ならない…でわなくて、女性ならではの病気だと大変ですので…」
なるほど。
するといきなり女医が近づき、
「失礼、レディ・アシェンバート」
腕を取りリディア脈をはかって唐突に、
「吐き気や目眩が最近ありませんでしたか?」
確かにここ最近気分もすぐれなかったし、吐き気もあった。
「え、えぇ…」
大きな病気じゃないかとヒヤヒヤしたリディアに対し、女医はにこやかに微笑んだ。
「おめでとうございます」
訳が分からないリディアとは別に、喜ぶケリー。
「まぁ!奥様についにご子息が…」
涙ぐむケリーとは別に、呆気に取られていたリディアだが、
「えぇ!?本当に…、私が?」
嬉しさあってベットから飛び上がった。
「えぇ、わたくし女医と産婆もしておりますの」
「私とエドガーの…、本当に…」
嬉しかったが、
「でも…、エドガーに言わないでちょうだい…」
「どうしてですか?めでたいことですのに」
ケリーが不思議に問う。
「やっぱり気になるの…」
ケリーは、はっとした表情になった。
「分かりましたわ、ウイットさん…、このことは内密にしてください」
女医は頷いた。
「でわ、ただの体調不良と伯爵には言っておきます」
静かに部屋を出ていった。


昨日リディアが倒れてから、リディアの機嫌が少し悪いことを気にする。
「何かやらかしたかな…?何もしていないんだけどな」
少し考えながらニコの部屋に入った。
「やぁ、ニコ」
ティーカップを優雅に持っているニコに近づき前の椅子に座った。
「なぁ、ニコ。リディアの機嫌が悪いんだけど、何かしらないかな?」
カップを持った手、いや前足がピクリと動いた。
「な、な何も知らないぜ…」
「あぁ、そうだ。フランスのリキュール入りのチョコがあったはず」
ヒゲをピクピクさせた。
「あ、あれだよ…。ウェンベルト夫人とか言う奴が、伯爵の愛人とか言い出したんだよ」
執事が持ってきたチョコをほうばりながらしゃべった。
「僕の?僕にはリディアしかいないのに」
絶対にデマだと言う自信はある。
「だがリディアはそれを本人聞いて傷ついているんだよ」
それはまずい。
リディアはきっと信じているだろう…
なんとかしなくては。
「ありがとう、ニコ」
部屋を出ていこうとした時、
「リディアを裏切るなよ…」
ボソッと呟いた、
「前にもこんな会話したよね。リディアを裏切るようなことは絶対にしないさ」
宣言をし部屋から出ていった。
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