僕のお母さん2



「今の子、佐藤に好きなやつがいるって言ったら、いつか告白してくるぜ。」





僕は、首をかしげた。だって、僕に好きな人がいるなら、普通諦めて、告白なんてしないと思うんだけどな……むしろ、僕に好きな人がいない方が、告白すると思うんだけど。





「お前って、癖なのかわからないけど、どの女子にも優しく接するから、女子の方は、自分のこと好きなのかもって錯覚をするんだよ。まあ、お前はそんな気更々無いんだろうけど。」





僕が女子に優しい?自分ではそんな風には、ちっとも思ってなかった。むしろ、無口で口下手だから、変な風に思われてると思ってた……





「はぁ、だからお前は、罪作りなんだよな。でも、やっぱりお前はいいやつだから、男子はお前を邪険には思わないんだよ。邪険と言うより、むしろ楽しがってるぜ?お前が、いくつチョコ貰うか。」





そう言って、松本は、ははっと笑った。さっきから、感じていた視線は、好奇心の目だったわけだ。でも、やっぱり見られるのはな……。僕が、ちょっと困っていると、松本がなおも笑いながら言ってきた。





「ま、今日のうちには慣れるよ。それよりお前、さっきの子の名前、誰かから聞いとけよ。お返し出来なくなるぞ?」





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