不思議の国のお姫様
*第1章*

*お引越し



「奏ー、もう着くから起きなさい」
「...んー」
あぁ、もう着くのか。
起きなきゃ...

「着いたわよーさっさと起きる!」
「痛っもう起きるってばー」
っもうそんなに叩かなくても。

「うわっ結構広いね」

「そぉね~奏には広いかしら」

「まぁいいじゃないか、さっ片付けはじめよう」

「はぁーい」

あたし木下奏(きのしたかなで)高校1年生!
今日この町に引っ越してきました。
この町には小学2年生まで住んでたんだけど、親の都合でアメリカに転校したんだ。
アメリカでは日本人学校とかには通わず、普通のアメリカ人が通う学校に通ってた。
だから一応英語も人並みには話せるし、日本語も大丈夫だと思う。

荷物を片付けていると、アメリカの友達からもらった手紙とかがたくさん出てきた。
一つずつ読み返していると、少し寂しくなっちゃった。
でも日本でも友達100人は作るって決めたから頑張らなくちゃ!
そう決心していると、

「奏~ちょっと降りてきなさい」
お母さんがあたしを読んだ。
なんだろ...?

「奏、覚えてるかしら、菖蒲ちゃんよ」

「えっ!菖蒲?!」
「かなでぇぇぇぇ、久しぶり!」

「菖蒲可愛くなったねぇ~」
「奏も!」

彼女は間宮菖蒲(まみやあやめ)。
アメリカに引っ越す前、小さい頃からずっと一緒だった幼馴染ってやつ。
昔から可愛くて性格もよく人からよく好かれる。

「奏、今度町案内するよ」

「ホント?やったぁ!」

「じゃぁまた明日」

「ばいばーい」

そう言って菖蒲は帰って行った。
明日か~めっちゃ楽しみ!
明日は高校の入学式なんだ~

「奏ーお母さん達帰るわよ」

あ!そっかお母さん達帰っちゃうんだ。
お仕事あるんもんね。

お父さんは木下グループの社長さん、お母さんはお父さんの秘書さんをやってる。
大切な娘だからって日本まで送ってもらったんだ。

「お父さん、お母さんまたね」

「なんかあったら連絡するのよ」

「お父さんすぐにかけつけるぞ」

でたよ二人の心配性。
昔からそうなんだから、まったく。

「じゃぁまた来るから」
「ばいばい」

今日は寝ようかな。
明日から学校だし、友達できるかな~?

7:30!
目覚ましセット完了!

明日のことを考えているうちにあたしは意識を手放した。


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