聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 黒斗がナイトになってくれてよかったって思った。


 でも、その黒斗は全然別人で……。


 しかも胸触られて耳舐められて、首筋を吸われた。




「ぅ……ふぅっ」

 あまりのショックに涙を堪える事が出来ない。


 さっきまでは黒斗がいたから我慢していたけど、いなくなったら……一人になったら我慢出来なくなった。




 しばらく泣いて落ち着くと、目が腫れぼったい。


 これ、朝なったら腫れてるだろうな……。

 そしたらまた雪さんに小言言われそう。


 泣いて幾分すっきりしたのか、今度は現状を冷静に理解出来る様になってきた。



 とりあえず、黒斗の本性を知ってしまった以上何か対処しないと……。


 でも他の人に言ったって信じてもらえない。


 じゃあ逃げる?






「……イヤ」

 なんかそれ、すっっっっっごく悔しい!



 あたしは起き上がって決意する。


「こんな屈辱味わったまま終わるなんて絶対に嫌。あのスカした顔、いつか泣き顔に変えてやる!」




 そう、慣れない生活で忘れていたけど、あたしは負けず嫌いな性格だった。

 久しぶりに出会った『敵』に、あたしの闘志は燃え滾(たぎ)っていた。


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