聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「あ、あたし! 初めては好きな人とって決めてるから!!」

 ある意味当然といえば当然な言い分でしょう?


「あっそ、じゃあ俺を好きになればいいだろ?」

「なっ!?」


 黒斗のあまりに俺様な言い分に、あたしは言葉を失う。



 確かに始めは憧れていたし、かなり恋愛感情に近いものを感じていたと思う。

 でもそれはあくまで黒斗の本性を知る前の話だ。



 本性を知ったあの瞬間、あたしの中の淡い恋心は破裂して粉々になったかのように綺麗さっぱりなくなった。


 それなのに好きになれと!?

 無理に決まってるじゃない!


 そう思いはするものの、あたしの口はパカッと開いたまま動かない。


 黒斗はそんな状態のあたしを面白そうに見つめた後、あたしの上からどいた。



「じゃ、今日はこれぐらいにしてやるよ。……明日、また楽しませてくれよ?」

 そう言い残した黒斗は、まだ寝そべった状態のあたしを残して自分の部屋へ帰っていった。



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