聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「うん、じゃあやって見せるから見てなさいよ?」

「は、はい」

 言われて反射的に返事をするあたし。
 何となく背筋を伸ばす。


 二人は少し下を向いてから、「こうよ」と声をそろえてあたしに笑顔を向けた。


 
 うっ……わぁ……。


 あたしは二人のジュエルスマイルを目の前にして、思わず頬を赤らめた。


 微笑そのものが光っているかのように輝いていて、美しい。

 何より、その雰囲気は王女様のように気品溢れるものだった。


 うん、これは近寄れないわ。


 他の生徒がうっかり近寄りでもしたら、その場で卒倒しそうなほどの威力だ。

 あたしは同性の女だから、かろうじて頬を染める程度で済んでるけど……。


 それでも目を逸らせず固まってしまうあたし。

 そんなあたしに二人はジュエルスマイルを止め、「どう?」と聞いてきた。

「え……あ、凄いですね……。言ってた意味が分かりました……。でもそんな微笑して、辰也先輩や蓮先輩は平気なんですか?」

 男なら近くにいただけで卒倒しそうな微笑み。


 男の二人がよく無事でいたものだ……。


「まあ、それは慣れかな?」
 すぐに答えたのは雪さん。

「それに、始めの頃は見ないようにしていたみたいだったわ」
 付け加えたのは怜さんだ。

 あたしは「そうですか……」と適当に相槌を打つ。



「でも、あたしにそんな微笑み出来るんでしょうか……?」

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