聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 ――翌日――。


 今日は昨日よりも凄かった。

 教室に入ったときどころか、校門を抜けた瞬間に二人が一度に抱きつこうとしてきた。


『ブルートパーズぅ、おはよう!』

 声までそろっててある意味見ものだ。


 そして昨日のように守ろうとあたしの前に出た黒斗を手で制し、あたしはそいつらの前に出た。



 メガネを外し、少し頭を振る。
 そして俯き加減の角度からスゥっと顔を上げながら微笑んだ。


「おはようございます」


 微笑みながら挨拶をすると、二人はピタリと止まる。

 一晩だけの練習とはいえ、あれだけ頑張ったんだ。

 完璧とはいかないまでも、効き目はあるはず!



 あたしのジュエルスマイルを直に見た二人は、数メートル離れた所で何だか感極まっていた。


「おぉ! 可愛いぜ!」

「ブルートパーズ! イイ!!」


 あまりの興奮ぶりに、あたしはちょっと引く。

 危うく笑顔を崩すところだった。



「ブルートパーズ! もう一回! 俺たちにもその微笑みを恵んでくれー!!」

 他の生徒達もわらわらと集まってきて、要求してきた。

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