死が二人を分かつまで
「それはそれとして、やっぱり丸山氏とも男女の関係にあったとか」


津田は自分でもいい加減しつこいな、と思いつつ食い下がった。


どうにかして逃げ道を作りたい気分だった。


丸山氏が父親だとすると、別に小夜子が失踪する必要はないのだが。


二人とも大人だし、結婚するのに何の障害も無かっただろう。


二股をかけていたから後ろめたい、という気持ちにはなるだろうが、それくらいですべてを投げ出して違う土地で一からやり直す、というのは大袈裟過ぎる。


恋人以外に気になる相手が出て来てしまい、そちらに乗り換える、なんて事はザラにある事で、それくらいでいちいち失踪していては世の中行方不明者だらけになってしまう。


なので丸山氏が父親だった場合、小夜子の行動は根本的におかしい事になって来る。


しかし、どちらがお腹の子の父親か判断がつかず、やむを得ず、という場合もある。


「いえ。それはありえないんです」

「どうしてそう言い切れる?」


彼の言葉に思わず挑戦的に問いかけた津田だったが、しかし、次の瞬間衝撃の事実を告げられた。
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