死が二人を分かつまで
「勉強の役に立つものだから、まぁ、買ってやっても損にはならないだろうと思ってな。もちろん、本人がそれを活かさなくては意味がないが」
「さとしなら大丈夫に決まってるじゃないか。なぁ?さとし。おじいちゃんと一緒に、これでお勉強しような?」
大助が目尻を下げつつさとしと視線を合わせ、優しく語り掛けた。
「うん」
さとしは満面の笑みで大助に答えてから次いで広の顔を見上げると、はにかみながら、おずおずと礼を述べた。
「ありがとうございます……」
しかし、広は返事もせずに立ち上がり居間を出て行ってしまった。
それでも、知子も祖父母も嬉しそうな表情をしていた。
その場にはとても穏やかな空気が流れていた。
広からの、初めての贈り物。
さとしは嬉しくて、さっそく地球儀をクルリと回してみた。
球体上にある、様々な大きさ、形の国々を目で追いながら、いつまでもいつまでも、クルクルと回し続けた。
「さとしなら大丈夫に決まってるじゃないか。なぁ?さとし。おじいちゃんと一緒に、これでお勉強しような?」
大助が目尻を下げつつさとしと視線を合わせ、優しく語り掛けた。
「うん」
さとしは満面の笑みで大助に答えてから次いで広の顔を見上げると、はにかみながら、おずおずと礼を述べた。
「ありがとうございます……」
しかし、広は返事もせずに立ち上がり居間を出て行ってしまった。
それでも、知子も祖父母も嬉しそうな表情をしていた。
その場にはとても穏やかな空気が流れていた。
広からの、初めての贈り物。
さとしは嬉しくて、さっそく地球儀をクルリと回してみた。
球体上にある、様々な大きさ、形の国々を目で追いながら、いつまでもいつまでも、クルクルと回し続けた。